看護予備校のKAZアカデミーが「AO入試・公募入試・社会人入試・一般入試」の小論文対策のために「看護・医療系小論文の構成と解答例」を提供します。
小論文が苦手な学生は、読むだけでも勉強になるので是非参考にして下さい。
今回の看護・医療系小論文の解答例は「高齢者が外出する際における課題と対策」です。
小論文はいきなり文章を書くのではなく、必ず段落の構成を考えてから書きましょう。
また、小論文が苦手な学生は、下記の「あなた専用の小論文ノート」から学習することができます。利用者は小論文が見違えるように上達しています。
今回は下記のような構成で小論文を作成しました。
導入部
・高齢化が進む日本の現状を紹介。
・高齢者の外出に関する問題の重要性を述べる。
問題点を列挙
・高齢者が外出時に直面する困難を具体例を使って列挙。
解決方法を提案
外出の問題をどうやって解決できるか、対策を提案。
外出のメリットの提示と主張
外出することが高齢者の体や心に良い影響があると、研究の結果を使って説明。
結論
高齢者の外出のメリットと解決策を踏まえて、外出を控えるべきでないと結論を述べる。
高齢者が外出する際における課題と対策(800字)
【解答例】
急速に高齢化が進む日本において、高齢者が日常生活を送る上での課題が増えてきている。中でも、外出についての問題は、高齢者の自立とQOLに密接に関わる重要なテーマである。公共の交通手段や施設を利用する際、高齢者が直面する課題は多岐にわたる。例えば、階段の昇降が困難であること、一部の駅やバス停にベンチがないこと、看板や案内が視認しにくいことなどである。これらの理由として、高齢者は必要以上の外出を控えたほうがよいと言われることもあるが、それは果たして正しいのだろうか。
「高齢者が外出すること自体が問題である」という声が散見されるのは確かである。一見極論にも思えるが、これは主に外出による事故の危険性や高齢者特有の健康問題への懸念から生まれた意見であり、歩行中の転倒や交通事故に巻き込まれるリスク等を念頭に置いたものである。だが、そうした高齢者が外出を控えるべきだという意見には賛同できない。
なぜなら外出時の課題を克服するための対策を講じることもできるからだ。例としては、公共交通機関のバリアフリー化の推進、高齢者専用の施設やサービスの拡充、地域住民との連携を深めることでのサポート体制の構築などが考えられる。
また、外出は高齢者の心身の健康を維持する重要な要素になっている事実もある。例えば、外出による運動が骨密度の低下を防ぐという研究結果がある。また、外出時に人との交流が増えることで、認知症の予防や進行の遅延にも繋がるということが報告されている。さらに、都市部の高齢者が公園や緑地を訪れることで、ストレスが低減するというデータもある。具体的には、東京大学の研究によれば、高齢者が自然環境を体験することで、日々の心の健康や精神状態が向上するとの結果が示されている。
以上のことから、高齢者の外出には多くのメリットがあり、その際の懸念点への対処も可能であるため、控えるべきではないと考える。