大麻草を原料にした医薬品が国内で使用解禁される前に大麻と医療薬品の関係を知っておこう。

Author:看護予備校KAZアカデミー

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一言に大麻と聞くと、皆さんはどのような印象をお持ちであろうか。

テレビで、芸能人やその家族が”大麻所持”や”大麻使用”などの容疑で逮捕されているニュースを見たことがある人も多いはず。

そのため、

「大麻=危険なもの、使っちゃダメなもの」というイメージが強いことだろう。

しかし、最近になって、この大麻が医療薬品に起用される可能性が出てきた。

果たして対極にありそうなこの2つが、どのようにして結びついたのでしょうか。

本記事では、この大麻と医学の関係について言及するものである。

1.そもそも大麻とは?

そもそも大麻とは、アサ科の植物、大麻草のことだ。

この葉や花穂などを乾燥させたり、樹脂化したりしたものを吸引する。

大麻に含まれる有効成分は、テトラヒドロカンナビノール(THC)と呼ばれる物質で、幻覚作用や多幸感をもたらす。

その結果、大麻は多くの国で規制されており、日本でも「大麻取締法」により厳しく規制されている。

2.なぜ大麻はいけないのか?

なぜ大麻は規制されるのか。

それは大麻の依存性と毒性ゆえである。

大麻の使用により、急性の害としては認知機能の障害や精神運動機能の障害が引き起こされ、慢性の害としては、認知機能の深刻な障害、精神病、発がん性など様々なものを引き起こしてしまう。

それに加えて、大麻には依存性があるため、反復して長期間使用することが予想されるのである。

3.大麻と医療薬品の関係

ではなぜ、そんな危険な大麻が医療薬品に起用されるのか。

実は、大麻には、害だけでなく、確かな益もあるのである。

大麻を用いた薬品である大麻製剤は、末期がんの疼痛などを抑制する作用が知られており、その他にも、難病である多発性硬化症やHIV感染症などへの効果も報告されているのだ。

その他にも、まだまだ治療薬が確立されていない難治性の病気や、病気の治療中に起こってしまう症状に対して効果を得られる場面が多く存在するとされている。

4.大麻に関する海外の動向と日本の現状とこれから

大麻を合法化している数少ない国の一つであるアメリカでは、大麻を原料にした医薬品は既に承認されており、難治性のてんかんの治療や、がんの痛みを抑える目的として使用されている。

そんな中、日本国内では大麻取締法の規制の対象となるため、未だ大麻を原料とした医薬品は承認されていなかった。

しかし、今大きな変化が起ころうとしている。

てんかんの患者を治療する医師たちなどを筆頭に多くの人から、大麻製剤の解禁を求める声が投げかけられたことで、厚生労働省は国内での使用を認める方針を固めた。

現状としてまだ議論を進めている段階ではあるが、大麻製剤の解禁も近いのかもしれない。

5.まとめ

日本は世界でも珍しく、大麻使用者が少ない国であるようだ。

この状況は世界に誇るべきものであるが、これは言い換えれば、それほど大麻に対して慎重であるということである。

そのため、たとえ医療分野に対する適応であっても、大麻の使用に対する批判の声も少なくはないだろう。

ただ、この大麻による薬品の使用により、患者の治療の幅が広がることも事実であり、その分、救われる命も多くなるはずである。

大麻使用に対して敏感なのはいいことでもあるが、もしかすると敏感すぎるのも良くないのではないかと思われる。

日本における大麻の医薬品適応が、苦しむ患者の痛みや病を少しでも緩和し、良い効果をもたらすことを切に願っている。

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