かつては「不治の病」といわれた梅毒が、再び注目されています。それは、2011~15年の5年間において、日本産婦人科学会がまとめた調査結果で、21人の妊婦から母子感染で「先天梅毒」と診断され、赤ちゃんが5人死亡、そしてその内4人が後遺症があることがわかりました。
もちろん、現在、梅毒は「不治の病」ではなく投薬で治療することはできますが、適切な妊婦健診などを受けていない場合、梅毒の病原菌は、血液に入って全身に広がるので、今回のように生まれてくる赤ちゃんにそのまま影響が出てしまいます。
そもそも梅毒とは?
あまり聞きなれない梅毒ですが、原因は「梅毒トレポネーマ」によって発生する感染症の一種です。梅毒の感染源として多いのが性行為になります。
梅毒トレポネーマは、わずかな皮膚の隙間や粘膜から侵入することが可能です。そして、一番怖いのが今回のように、妊婦がすでに感染していると、お腹の中の胎児に直接感染してしまうことです。
近年、梅毒の感染者が徐々に増加しているので注意しておきたいところです。
梅毒の原因とどこまで気をつける必要があるのか?
上記にも書きましたが、梅毒の原因の多くが性行為によるものです。梅毒トレポネーマは、低温や乾燥などにめっぽう弱いのですが、低酸素状態の中では生きることができます。
梅毒が感染するパターンとしては、人と人の皮膚や粘膜が触れることで感染してしまいます。「膣性交」「アナルセックス」「オーラルセックス」などが感染の原因です。
これ以外にも、普段何の気なくしているキスから感染する場合がありますので、自分自身が梅毒かどうかは、身近な人のためにも異変を感じたらすぐに検査を受けるべきです。
梅毒の予防法はあるの?
残念ながら他の、病気とは違い予防接種などのワクチンがないため、基本的には、自分の信頼できる人以外の不特定多数の人との性行為を避けることが一番です。
そして、もし仮に、相手が梅毒の初期段階であればすぐに感染してしまうのでより注意が必要です。厚生労働省でも、梅毒予防にコンドームの着用を推奨していますので、コンドームの着用は必ずしましょう。
梅毒の初期症状の時には、まったく見た目では判断できないことがありますので、妊娠中などは、より一層注意が必要です。
さらに怖いことに、梅毒の病原菌は、血液から侵入し全体に広がってしまうので、体のどこかの一部に病変がある場合もあります。この場合は、その部分と触れるだけで、感染してしまうので、コンドームをつけたからといって100パーセント梅毒を防げるわけではありません。
梅毒に感染したらいつ症状がでるの?
梅毒は、熱・風邪のようにすぐに症状がでるわけではありません。およそ3週間ぐらいで初めて初期症状が現れます。一番怖いパターンは、感染しているにも関わらず症状が出ない場合もあります。
相手が梅毒感染者など、なかなか見抜くことはできませんので、少しでも異変を感じた場合は、できるだけ即座に梅毒検査を受けましょう。
もし仮に、自分が梅毒感染になった場合は、身近な人にも感染しているパターンもありますので、恥ずかしがらず、感染を防ぐためにも、検査に行ってもらいましょう。
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