医療系小論文の解答例は、AO入試・公募入試・社会人入試を控える受験生に向けて、少しでもヒントになればと考え提供しております。
是非参考にして下さい。
今回の医療系小論文の解答例は「日本の出生率低下に対して」です。
このテーマの小論文を書く上で下記のことを頭に入れておきましょう。
出生率とは?
「出生率」とは、特定の期間(通常1年間)における出生数を、同期間中の人口千人あたりで示した数値のことを指します。
状況は?
現代日本において、出生率の低下は深刻な社会問題となっています。この低下により、将来的な労働力不足や高齢化社会の進行、経済の停滞などのリスクが高まっており、持続可能な社会の実現が困難となる可能性があります。
どうすればよい?
・働き方改革: 男女ともに仕事と家庭を両立しやすい環境の実現。フレックスタイム制度の導入や、男性の育休取得の奨励など。
・子育て支援: 保育園の増設や、子育てに関する経済的な支援(子ども手当の拡充など)。
・経済的安定: 若い世代の正規雇用の拡大や、安定した収入を得られるような環境の整備。
・社会的認識の変革: 多様な家族の形や価値観を受け入れ、子どもを持つことのプレッシャーを減少させる社会的な取り組み。
まとめ
看護学校受験生として、私たちは将来的に多くの出産や子育てに関わる場面でサポートを行う役割が期待されます。そのため、日本の出生率低下の問題とその対策について理解し、実践的なサポートができるようになることが重要です。

小論文が上手く書けないという方は、解答例を読むだけでも小論文に慣れ親しむことができます。
お題:日本の出生率低下に対して(800字)
【解答例】
出生率の低下を危機として捉える声がある一方で、これを経済構造の変化や社会の進化として受け入れるべきだという意見もあるのは確かである。具体的には、技術の進化やそれによる労働の自動化が労働人口の減少を補完し、新しい産業構造や働き方が生まれるというものだ。この考え方では、出生率の低下は短期的な問題としてではなく、長期的な社会の変動として捉えるべきだとされている。しかし、私は、日本の出生率の低下は重大な問題であり、その影響は広範に及ぶと考える。
例えば、多くの地方都市では若者の流出や商店の閉鎖が進行している。こうした現象は、都市部への一極集中や地域間の経済格差も背景にあるとされているが、出生率の低下がこれを加速させていることは間違いない。また、教育機関や病院などの公共サービスも、子どもの数の減少に伴い、経営が困難になってきている。これは、特に地方の小規模な施設において顕著であり、多くの学校が統合される一方で、病院の閉鎖や医療サービスの低下も懸念されている。さらに、低出生率であることは、企業の人材不足や消費市場の縮小という形で、経済の停滞をもたらす。特に、若年層の消費活動により活性化するとされる分野、例えばファッションやエンターテインメント産業では、市場の縮小が深刻な問題となっている。
よって、出生率の低下は日本の経済や社会の持続可能性に負の影響を与えると私は考える。新しい産業構造の構築や働き方の変革を行うなど、国を挙げてこの問題に取り組んでいく必要があると言えよう。
