看護予備校のKAZアカデミーが「AO入試・公募入試・社会人入試・一般入試」の小論文対策のために「看護・医療系小論文の構成と解答例」を提供します。
小論文が苦手な学生は、読むだけでも勉強になるので是非参考にして下さい。
今回の看護・医療系小論文の解答例は「医療現場におけるエンパワーメントについて」です。
小論文はいきなり文章を書くのではなく、必ず段落の構成を考えてから書きましょう。
また、小論文が苦手な学生は、下記の「あなた専用の小論文ノート」から学習することができます。利用者は小論文が見違えるように上達しています。
エンパワーメントの定義と意義
まず、エンパワーメントとは何を指すのかを明確に説明します。医療現場においてエンパワーメントがどれだけ重要であるか、医療従事者と患者、両者にどのような利益をもたらすかを示します。
医療従事者のエンパワーメント
医療従事者に対するエンパワーメントの重要性について論じます。自己管理能力の向上や専門知識の活用、意思決定の権限の委譲など、医療従事者が主体的に活動することで、チームの効率や患者ケアの質が向上することを説明します。
患者のエンパワーメント
患者に対するエンパワーメントの重要性について考察します。情報の共有や共同意思決定の推進、自己管理の支援などによって、患者が自身の健康に関する主体的な役割を果たすことができるようになる点を強調します。
コミュニケーションの役割
エンパワーメントを実現するためには、良好なコミュニケーションが欠かせません。医療従事者と患者の間での透明な情報共有や共感的な対話が、エンパワーメントを促進する方法として述べます。
成功事例と課題
実際の医療現場でのエンパワーメントの実践事例や成功例を挙げつつ、その際に発生する可能性のある課題や障害についても考察します。倫理的な問題や意思疎通の難しさなど、エンパワーメントを推進する過程で直面する問題に言及します。
未来への展望
最後に、医療現場におけるエンパワーメントの将来的な展望について考えます。技術の進化や患者中心のケアの推進などが、エンパワーメントの実現にどのような影響を及ぼすかを予測し、可能性を探ります。
≪まとめ≫
エンパワーメントは、医療現場において個々の存在を尊重し、能力を最大限に引き出す鍵になります。患者と医療従事者が、情報や意思決定を共有することで、より質の高いケアが実現される可能性が広がります。
医療の質と患者の満足度を向上させるためにはどうしていくべきなのか論じることが重要です。
お題:医療現場におけるエンパワーメントについて(800字)
【解答例】
近年、医療現場におけるエンパワーメントに注目が集まっている。エンパワーメントとは、個々の患者やその家族に対し、医療に関する知識とスキル、自己決定を行う権利を与え、自らの力で健康と生活の質を向上させられるようにすることを目指すアプローチのことである。私は、こうした医療現場におけるエンパワーメントをさらに推進していくべきであると考える。全ての患者が医療に関する知識を十分に理解し、適切な決定を下す能力を持っているわけではないことから、エンパワーメントの実施に消極的な医師がいることも確かである。また、重篤な病状や認知症などにより、情報の理解や自己決定が難しい患者の場合、自らの力で健康を増進するという目的を果たすことも困難であるという意見もあるだろう。それでも私は、エンパワーメントは医療現場において重要な方針であり、より広く推進されるべきだと考える。
なぜなら、医療に関する決定は、患者自身の価値観やライフスタイルに大きく関係するものだからである。怪我や病気の完治を目指すことが治療の基本的な目的であるといえども、その症状とどのように向き合っていくかを最終的に決めるのは、患者本人やその家族だ。エンパワーメントの実施は、患者の自己決定を尊重する現代医療において不可欠なものなのである。
また、エンパワーメントにより、患者は自己管理スキルを向上させ、生活の質を改善するための手段を得ることが出来る。通院医療や在宅医療だけでなく、入院医療においても、患者の自由時間における過ごし方が健康状態の回復に与える影響は少なくない。つまり、患者に病気に関する知識や症状への対処法を伝えておくことは、結果的に完治を早めることに繋がるのである。
よって、患者自身の意思を重視し、自ら健康を回復する力を与えるため、医療現場におけるエンパワーメントは今後も推進されていくべきだと私は考える。