看護予備校のKAZアカデミーが「AO入試・公募入試・社会人入試・一般入試」の小論文対策のために「看護・医療系小論文の構成と解答例」を提供します。
小論文が苦手な学生は、読むだけでも勉強になるので是非参考にして下さい。
今回の看護・医療系小論文の解答例は「認知症患者の尊厳と自立を重視する介護方法について」です。
小論文はいきなり文章を書くのではなく、必ず段落の構成を考えてから書きましょう。
また、小論文が苦手な学生は、下記の「あなた専用の小論文ノート」から学習することができます。利用者は小論文が見違えるように上達しています。
今回は下記のような構成で小論文を作成しました。
導入
・日本の高齢化の進行と、認知症に関する問題が増えていることを説明。
・この問題にどう取り組むか、特に「尊厳」と「自立」って大切だよね、というテーマを出す。
自分の考えを伝える
・認知症の人たちの「尊厳」と「自立」って大切だと思う、という自分の意見を伝える。
・でも、自立させることのリスクや危険性もあるよね、という反対意見にも触れる。
実例1を出して説明
・老人ホームでの良い取り組みの事例を紹介。
・そのおかげで、老人たちがどう生き生きとしているかを伝える。
実例2を出して説明
・オランダの施設の事例を出す。
・ここでは、自然や動物と触れ合うことで、認知症の人たちがどれだけ元気になるかを説明。
結論
・認知症の人たちの「尊厳」と「自立」は、とっても大切だと再確認する。
認知症患者の尊厳と自立を重視する介護方法について(800字)
【解答例】
近年、高齢化が進む日本社会において、認知症患者に関する問題が増加している。社会全体での対応が求められる中、特に介護の方法に関する議論が活発になっているのである。その中心には、認知症患者の尊厳や自立をどう確保するかという問題が横たわっている。私は、たとえ介護が必要な段階にあっても、認知症患者の尊厳と自立を重視する必要があると考える。
認知症患者の自立を重視しすぎると、患者自身の安全が確保できないという声もあるのは確かである。特に、高齢となり身体的なリスクも高まる中で、自力での生活を求めることは、むしろ危険を伴うという意見もあるだろう。しかし、それでも私は、認知症患者の尊厳と自立は、介護の中心として確保されるべきであると考える。
例えば、一部の老人ホームでは、入居者が自分自身の部屋の掃除や洗濯、料理をする機会を設けている。それにより、彼らは日常生活の中に自力で行えることがあるということを実感し、その結果、生きる喜びや自尊心を保ち続けることが出来ているのである。また、認知症患者が自身の生活の一部を自立して行うことは、症状の進行を遅らせる効果があるという研究結果がある。散歩をする、自分で食事を作るなどの日常的な行動が脳の活性化に繋がり、認知症の進行を遅らせることができるとされているのだ。さらに、オランダのある施設では、認知症患者にガーデニングや動物との触れ合いを提供することで、彼らの心の安定を図っている。これは、自然環境に身を置くことが患者の精神的な安定に繋がるという考えに基づくものである。実際、参加者たちはガーデニングなどの活動の中で、日常の小さな楽しみを見つけることができ、日々の生活に対する満足度が向上したという報告がある。
以上のことから、患者の生活の質を向上させるだけでなく、症状の進行を遅らせられる可能性もあるため、認知症患者の尊厳と自立は重視されるべきだと私は考える。