看護予備校のKAZアカデミーが「AO入試・公募入試・社会人入試・一般入試」の小論文対策のために「看護・医療系小論文の構成と解答例」を提供します。
小論文が苦手な学生は、読むだけでも勉強になるので是非参考にして下さい。
今回の看護・医療系小論文の解答例は「老衰の死亡率と医療費や介護費との相関関係について」です。
小論文はいきなり文章を書くのではなく、必ず段落の構成を考えてから書きましょう。
また、小論文が苦手な学生は、下記の「あなた専用の小論文ノート」から学習することができます。利用者は小論文が見違えるように上達しています。
老衰の死亡率とその特性
老衰の死亡率や要因について、具体的なデータや統計を用いて説明することが求められます。老衰の定義や特徴、高齢者における健康状態との関係などを明確にすることが重要です。
医療費や介護費との相関関係
老衰による死亡率と医療費、介護費との相関関係について調査結果や研究データを引用しながら考察することが求められます。老衰による死亡率が高い場合、医療費や介護費にどのような影響があるかを検討します。
社会的な意義や課題
老衰の死亡率と医療費、介護費の相関関係が持つ社会的な意義や課題について考察します。老衰の増加によって医療や介護に要する費用がどのように変化するか、これに対して社会がどのように対応すべきかを考えます。
予防や対策の提案
老衰による死亡率や医療費、介護費に対してどのような予防や対策が考えられるかについて提案することが求められます。例えば、健康寿命の延伸や高齢者の自立支援、予防医療の重要性などが考えられます。
倫理的な視点の考慮
老衰による死亡率と医療費、介護費の相関関係について議論する際には、倫理的な視点も考慮することが重要です。例えば、高齢者の意思尊重や尊厳の保持、公平な医療・介護の提供などが考慮されるべきです。
お題:老衰の死亡率と医療費や介護費との相関関係について(800字)
【解答例】
老衰とは、高齢化により体の各部位の機能が低下し、結果的に生命活動が維持できなくなり死亡することを指す。世界中で老衰の死亡率が増加する中、それと並行して医療費や介護費も近年大きく増加している。こうした費用の増加が社会的、経済的に大きな影響を及ぼしていることは明白であるが、老衰の死亡率の増加とこれらの費用の増加の間には果たして関係性があるのだろうか。老衰による死亡の割合が増加している要因の1つとしてよく挙げられるのが、先進国における医療技術の進歩である。以前であれば不治の病とされていた病気でさえも治癒できるようになり、結果として老衰による死亡が増加しているというのである。そうした医療技術の発展により、疾患の治療や予防が可能になった結果、入院費用を中心とした医療費はむしろ節約されているという意見もある。しかし私は、それでも老衰の死亡率の増加と医療費や介護費の増加の間には相関関係があると考える。
まず、老衰の進行に伴い、多くの医療介入や介護サービスが必要となる。実際、先進国の中でも特に高齢化が進んでいる日本において、老衰による死亡率が増加すると同時に、特定の病気による後遺症などを抱えているわけではない後期高齢者の、医療費や介護費の増加が確認されている。高齢化の進行と介助の必要性の増加は、切り離せないものなのである。また、年齢が進むにつれて高齢者が抱えることになる多様な健康問題に対応するため、医療や介護サービスの専門化、細分化が進んでいる。このような変化も、費用の増加を招いている要因の1つである。
よって、老衰の死亡率の増加と医療費や介護費の増加との間には、一定の相関関係があると私は考える。天寿を全うする高齢者の増加とともに、専門的な医療や介護のニーズは高まっている。これらの問題にどう対応していくかは、これからの社会において非常に重要なテーマであると言えよう。