看護予備校のKAZアカデミーが「AO入試・公募入試・社会人入試・一般入試」の小論文対策のために「看護・医療系小論文の構成と解答例」を提供します。
小論文が苦手な学生は、読むだけでも勉強になるので是非参考にして下さい。
今回の看護・医療系小論文の解答例は「臓器移植の倫理について」です。
小論文はいきなり文章を書くのではなく、必ず段落の構成を考えてから書きましょう。
また、小論文が苦手な学生は、下記の「あなた専用の小論文ノート」から学習することができます。利用者は小論文が見違えるように上達しています。
今回は下記のような構成で小論文を作成しました。
導入
● 臓器移植は大切だけど、問題があることを伝える。
● 明確なルールが必要だと主張する。
移植を受ける人の選び方
● どうやって臓器をもらう人を選ぶか、大きな問題があると指摘。
● どんな基準で選ぶか、前もって決めておくべきだと主張。
ドナーの同意の問題
● 臓器を提供する人の意向や家族の意見の問題を取り上げる。
● 難しいケースがあるから、ちゃんとしたルールが必要だと主張。
移植のお金や違法な取引の問題
● 移植は高いし、お金がない人は受けられないのが問題だと指摘。
● お金のために違法なことをする人もいるので、それを防ぐ方法を考える必要があると指摘。
結論
● 臓器移植に関する問題を簡単に再確認。
● きちんとしたルールや取り決めが必要だと改めて伝える。
● みんなで考えて行動することの大切さを伝える。
お題:臓器移植の倫理について(800字)
【解答例】
近年、医療技術の発展に伴い、臓器移植が多くの人の命を救う手段として注目されている。しかし、臓器移植には倫理的な問題も数多く存在している。私は、臓器移植を行うにあたっては、今よりも明確な実施基準を定める必要があると考える。
臓器移植の最大の倫理的問題は、移植を受ける人の選定である。現在、臓器提供者の数は移植希望者の数に遠く及ばず、多くの患者が移植を受けられない状況にある。年齢や健康状態、緊急度など、どのような基準で提供される人間を選ぶべきか、という点に関しては様々な要素が関与するが、予め一定の優先順位は決めておく必要があるだろう。
次に、ドナーの同意に関する問題が挙げられる。臓器提供にあたっては、本人の意思や家族の同意が必要となるが、時にはその判断が困難な場合もある。意思表示ができない状態の人や、家族間で意見が一致しない場合などに、どのように判断すべきかという原則を定めておかなければならない。
さらに、臓器移植の費用についても、倫理的な問題を引き起こすことがある。移植手術やその後の治療には高額な費用がかかるため、経済的に恵まれない患者が移植を受けられないという状況が生じることが少なくない。そのような場合に、負担額の猶予をどこまで行うべきか、というような線引きも行っておく必要がある。また、一部地域では、経済的利益を追求するために違法な手段で臓器が取引されているが、そうした状況を防ぐため、国を越えた取り組みや法の整備も必要である。
臓器提供を受ける人の選定、ドナーの同意、手術費用など、臓器移植には数多くの倫理的問題が存在するが、適切な法律や制度の整備を行い、それぞれの項目についての一定の基準を定めておくことが重要である。臓器移植が命を救う手段として、より公平で明確な基準の下に実施されるよう、社会全体での議論と取り組みが必要だと私は考える。