関係と言葉の距離 設問別・要点解説
全体の流れ(まずここを押さえる)

・①段落=導入。人間関係によって「身体の距離」が変わる(友人/初対面・ことわざの例)。
・②段落=話題提示(本文の中心)。私たちは「ことばの距離」も相手・時・ばあいによって調節する、と宣言。
・③段落=例①「本を借りる」。親密さに応じて言い方が近→中→遠へと変化する。
・④段落=まとめ+例②「食事に誘う」。〈こうした〉で前段を総括し、別場面の近・中・遠の言い方を追加。
・⑤段落=結論。「どんなことばを、どんなふうに使うか」は当事者の関係と距離の問題だと締めくくる。
1⃣ 問題(1)
【①・②はどの段落か】
①=第2段落。ここで初めて「ことばの距離」というキー語が示され、本文全体の話題を明示しています。
②=第4段落。「こうした――」で第2〜3段落をまとめ、そのうえで食事に誘うという新しい事例を付け加えています。
解答 → ① 第2段落/② 第4段落
根拠の見つけ方
・話題提示のサイン=キー語の初出・言い切り(第2段落)。
・まとめのサイン=「こうした/このような」+新しい例の追加(第4段落)。
2⃣ 問題(2)
【距離を決める基準(三つ書き抜き)】
きかれているのは「距離を決める基準は何か?」です。
第2段落の「相手によって、また時とばあいによって」の〈〜によって〉がその基準の合図なので、前にある名詞をそのまま三つ抜きます。
解答 → 相手・時・ばあい
注意
・「場合」を漢字にせず、本文どおりひらがなの「ばあい」で書き抜きます。
・「友だち/初対面」などは基準ではなく“例”なので不可。
3⃣ 問題(3)
【線①のことわざが示す距離(三字書き抜き)】
「三尺下がって師の影をふまず」は、先生に対し間合いを取り礼を尽くすという意味です。本文の距離区分(近距離・中距離・遠距離)に当てはめると、最も改まった遠い関係=遠距離になります。
解答 → 遠距離
根拠
・三尺下がる/師という改まった関係=いちばん距離を置く分類名(本文語)を三字で。
4⃣ 問題(4)
【空欄補充(四字書き抜き)】
空欄以外の文は本文の要旨の言い換えです。空欄の語だけを本文から抜きます。
第4段落では「心理的・社会的な距離とかかわっている」と述べ、続けて近・中・遠の言い方の例を示しています。これは第3段落の趣旨と一致しており、空欄に入る語は第3段落末の「まだまだ、いくらでもていねいということができるだろう。」からそのまま抜きます。
したがって、空欄に入る四字はこの語になります。
解答 → ていねい
注意
・「丁寧」と漢字ではなく、本文どおりひらがな四字で書き抜きます。
