看護予備校のKAZアカデミーが「AO入試・公募入試・社会人入試・一般入試」の小論文対策のために「看護・医療系小論文の構成と解答例」を提供します。
小論文が苦手な学生は、読むだけでも勉強になるので是非参考にして下さい。
今回の看護・医療系小論文の解答例は「長生きすることはいいことなのか」です。
小論文はいきなり文章を書くのではなく、必ず段落の構成を考えてから書きましょう。
また、小論文が苦手な学生は、下記の「あなた専用の小論文ノート」から学習することができます。利用者は小論文が見違えるように上達しています。
今回は下記のような構成で小論文を作成しました。
導入部
長寿が古来より追い求められてきたことを例に挙げ、それに対して疑問を投げかけてみる。
長寿の利点
長生きすることによる利点を伝えるが、寿命が長いことだけが幸福を意味するわけではないとの見解を示す。
長寿と生活の質
幸せな長寿の秘訣は健康だけでなく、人との関わりや趣味を通じた生活の質にあると説明する。
健康問題と生活の質の低下
高齢になると健康問題が増え、それが生活の質にどう影響するかを考える。
結論
長生きすること自体よりも、その時間をどう使うか、日々をどう楽しむかが大切だと結論付ける。
長生きすることはいいことなのか(800字)
【解答例】
長寿の追求は、古来より多くの文化や伝説で賞賛されてきたテーマである。各地の文献や伝承において、不老不死の薬を求める人物の物語が語られてきた。人々の夢や願いの中で、永遠の命を手に入れることは究極の幸福とされている。だが、長生きするというのは本当に幸せなことなのだろか。
長生きすることにより、様々なことにチャレンジするための時間が生まれるのは確かである。また、現在は人生100年時代と言われるように、定年である65歳を超えた後も健康を保ったまま働き続けることは珍しくなく、仕事を生きがいとしながら日々幸せに生きている高齢者も少なくない。だが、ただ寿命が長いことだけが幸福の指標とは言えないと私は考える。
日本の小樽市で行われたある調査によれば、多くの高齢者は長寿の秘訣として「人とのつながり」や「継続的な趣味」を挙げている。これは、単に健康に気を遣うだけではなく、生活の質を保つことが日々の糧となっていることを示している。また、日本の沖縄を含む、世界の長寿地域とされているブルーゾーンにおけるライフスタイルの研究でも、健康的な食事や適度な運動に加えて、コミュニティとの結びつきや日々の小さな喜びが人々にとって重要であることが示されている。仮に長生きが可能な技術や方法が開発されたとしても、その生をどのように過ごすかが最も重要なのである。また、高齢になると病気を始めとした様々な健康問題が発生する可能性が増え、それが人々の生活の質を低下させるという視点もある。
以上のことから、単に寿命が長いことが人々の幸せに繋がるわけではない、と私は考える。ただ長生きをすることを追求するのではなく、どれだけその生涯を充実させるか、どのように日々の喜びや満足感を得るかに焦点を当てる必要がある。最終的には、それぞれの人がどれだけその日々を価値あるものと感じ、生きがいを見出すかが、真の幸福への鍵となるのである。