看護予備校のKAZアカデミーが「AO入試・公募入試・社会人入試・一般入試」の小論文対策のために「看護・医療系小論文の構成と解答例」を提供します。
小論文が苦手な学生は、読むだけでも勉強になるので是非参考にして下さい。
今回の看護・医療系小論文の解答例は「誠実であるとは、どういうことなのか。」です。
小論文はいきなり文章を書くのではなく、必ず段落の構成を考えてから書きましょう。
また、小論文が苦手な学生は、下記の「あなた専用の小論文ノート」から学習することができます。利用者は小論文が見違えるように上達しています。
今回は下記のような構成で小論文を作成しました。
導入段落
最近の不正問題を例に出し、誠実さがどんな意味を持つのか、なぜそれが大切なのかを説明する。
第二段落
誠実さを単なる正直さと考える一般的な見方を紹介し、それに対する自分なりの考えを少し示唆する。
第三段落
誠実さには正直さ以外にも、リーダーシップ、倫理規範、責任感、公平性など、さまざまな意味があると詳しく述べる。
第四段落
トヨタのような企業がどのように誠実さを大切にしているかを例に出して、それがただの正直さよりも深いものであることを説明する。
第五段落
スポーツの世界での誠実さの例を挙げ、試合でのフェアプレイや相手への尊敬が誠実さの表れであるという点を強調する。
結論
誠実さは多くの要素を含んでいて、ただの正直さだけではないということを再確認する。
誠実であるとは、どういうことなのか。(800字)
【解答例】
近年、企業や自治体の信用問題や不正行為が社会の様々な場面で取り沙汰されている。これらの問題の背後には、個人や組織の「誠実さ」が問われていることが多い。しかし、その言葉の定義や範疇は人々の間で一致していないようである。果たして、「誠実である」とは、具体的にどのような状態を指すものなのであろうか。
「誠実である」とは、一貫して正直であること、つまり嘘をつかないことであると考える人もいる。事実を歪めることなく、自分の行動や考えを透明性をもって伝えることが求められるというわけである。しかし、私は、誠実さは他者への思いやりや信頼関係の構築を含む多義的なものであると考える。実際、多くの研究や調査において、誠実さには広義の意味が含まれることが示唆されている。例えば、ハーバード・ビジネス・レビューの調査では、誠実なリーダーシップの要素として、信頼性、責任感、公平性など様々な意見が挙がっている。このように、誠実さは単なる正直さを超えて、多面的な要素を持っているのである。
さらに、企業の倫理規範の中で、誠実さが基本理念として掲げられていることも少なくない。例としては、トヨタ自動車が「誠実な取引」を行うことを社是として掲げていることが挙げられる。この場合の「誠実」が、単に一貫して正直であることだけを指すものではないのは明らかである。
また、スポーツ界では、試合中のフェアプレイや相手選手へのリスペクトも誠実さの一環として捉えられている。2016年のオリンピックの際、競技中に怪我をした相手を助けたニュージーランドの選手は、その行為で「スポーツマンシップ賞」を受賞した。この事例からは、誠実さが、他者との関わりの中での紳士的な態度や行動も含んでいることが伺える。
以上より、「誠実である」とは、単に嘘をつかないということだけではなく、信頼性や責任感があることなど、広義の意味を持つものであると私は考える。