関係と言葉の距離 設問別・要点解説
全体の流れ(まずここを押さえる)

①段落
書こうとすると最初にぶつかるのは「言葉」という壁です。
②段落
要旨:「精神・知性・客観性・自由・実存」などの用語は、人により解釈や定義が異なり、とても曖昧です。
③段落
要旨:言葉は私たちが思う以上に不完全で曖昧だ、というまとめです。
④段落
要旨:不完全な言葉をさまざまに組み合わせながら、私たちは辛うじて言いたい表現に近づけます(それでも不完全です)。
⑤段落
要旨:しかし、この不完全さが逆に思考を前進させる原動力になります。
役割:逆接の展開(欠点→推進力)。
キーワード:不完全さ→原動力・思考の前進
⑥段落
要旨:だからこそ、数学のように一つ一つの正確さを目指す意志が大切で、その無限の意志が言葉の開拓を進めます。
役割:規範提示(目指す方向)。
キーワード:正確さ・意志・言葉の開拓
⑦段落
要旨:そして、言葉を開拓することは自己の形成につながります。
役割:最終的帰結(自己形成)。
キーワード:言葉の開拓・自己形成
・②段落=「精神・知性・客観性・自由・実存」などの用語は、人により解釈や定義が異なり、とても曖昧です。
・③段落=言葉は私たちが思う以上に不完全で曖昧だ、というまとめです。
・④段落=不完全な言葉をさまざまに組み合わせながら、私たちは辛うじて言いたい表現に近づけます。
・⑤段落=結論。「どんなことばを、どんなふうに使うか」は当事者の関係と距離の問題だと締めくくる。
1⃣ 問題(1)
【①・②はどの段落か】
①=第2段落。ここで初めて「ことばの距離」というキー語が示され、本文全体の話題を明示しています。
②=第4段落。「こうした――」で第2〜3段落をまとめ、そのうえで食事に誘うという新しい事例を付け加えています。
解答 → ① 第2段落/② 第4段落
根拠の見つけ方
・話題提示のサイン=キー語の初出・言い切り(第2段落)。
・まとめのサイン=「こうした/このような」+新しい例の追加(第4段落)。
2⃣ 問題(2)
【距離を決める基準(三つ書き抜き)】
きかれているのは「距離を決める基準は何か?」です。
第2段落の「相手によって、また時とばあいによって」の〈〜によって〉がその基準の合図なので、前にある名詞をそのまま三つ抜きます。
解答 → 相手・時・ばあい
注意
・「場合」を漢字にせず、本文どおりひらがなの「ばあい」で書き抜きます。
・「友だち/初対面」などは基準ではなく“例”なので不可。
3⃣ 問題(3)
【線①のことわざが示す距離(三字書き抜き)】
「三尺下がって師の影をふまず」は、先生に対し間合いを取り礼を尽くすという意味です。本文の距離区分(近距離・中距離・遠距離)に当てはめると、最も改まった遠い関係=遠距離になります。
解答 → 遠距離
根拠
・三尺下がる/師という改まった関係=いちばん距離を置く分類名(本文語)を三字で。
4⃣ 問題(4)
【空欄補充(四字書き抜き)】
空欄以外の文は本文の要旨の言い換えです。空欄の語だけを本文から抜きます。
第4段落では「心理的・社会的な距離とかかわっている」と述べ、続けて近・中・遠の言い方の例を示しています。これは第3段落の趣旨と一致しており、空欄に入る語は第3段落末の「まだまだ、いくらでもていねいということができるだろう。」からそのまま抜きます。
したがって、空欄に入る四字はこの語になります。
解答 → ていねい
注意
・「丁寧」と漢字ではなく、本文どおりひらがな四字で書き抜きます。
